ギャッベとは、もともとペルシア語で「ざっくりとした」という意味を表すことばで、英語の「rough」と近い言葉です。
古くからイランの南西部のザクロス山脈一帯に住む遊牧民によって織られている
「毛足の長い絨毯」のことを言います。
もともとは遊牧生活の過酷な大地にふかふかで毛足の長い絨毯を敷くことにより 暑さ寒さをしのぎ、快適に暮らすための生活道具として代々受け継がれてきました。自分たちの育てた羊の毛から 糸を紡ぎ、自生する草木で色を染め、手織りで織る。そんなシンプルな知恵の集積が ひとつのじゅうたんを生み出し、家族で受け継がれながら使われていきました。
近年、欧米を皮切りにギャッベのアートとしての魅力が注目されました。日本でもこの10年、ギャッベの魅力が雑誌に特集として組まれ、織りの技術がユネスコの無形文化遺産に登録されたことにより、その伝統的な価値に注目が集まりました。
生活道具として気兼ねなく使える、そして手仕事のぬくもりと作り手の個性を楽しめる世界に一つだけの表情をもつじゅうたん。それがギャッベです。